妊娠を望んでいる女性の多くは、ベビまりを始めとしてインターネットや本でいろいろな情報を得ておられると思います。しかし排卵した卵子がどうなっていくのかは、目には見えないことなのでイメージが先行してしまいがち。排卵、受精、着床といった用語について、あらためてご説明いたします。


妊娠に関するコトバと時期をおさらいしてみよう!

受精は子宮の中で起こるのではありません

こんにちは。今回ベビまりに参加させていただくことになりました、産婦人科医の西尾と申します。これまでの数年は長女を育てながら緊急呼び出しだ、当直だと働いておりましたが、現在は仕事を減らし、第2子の妊娠を願っているところです。よろしくお願いいたします。

さて、妊娠を希望していると、生理などの言葉に敏感になりますね。私が外来で出会う方の中にもよく勉強されているなぁと感心させられる方はたくさんいます。しかし中にはお話ししていると、自分の中で起こっていることなのに、目に見えないので意外と生理と排卵を混同していたり、排卵したらすぐに着床すると思っておられるなど、あいまいな状態になっている方も…。言葉の意味や時期を正しく把握しておくことは、妊娠への第一歩です。

ここでもう一度、排卵、受精、着床についておさらいしてみましょう。

排卵から着床までの流れ

1.排卵

基礎体温

月経周期(生理が始まった日~次の月経が始まった日)が28日の方の場合、生理開始から14日目に排卵が起こります。卵巣の表面を破って卵子が出てきますので、このとき排卵痛という下腹部の痛みや、少量の出血がある方もおられます。排卵された卵子は、卵管采でキャッチされ、卵管へ入っていきます。

月経周期が不規則な方は、必ずしも14日後ではありません。毎日朝イチに体温計をくわえるのは若干面倒ではありますが、日頃から基礎体温をつけておくと、排卵日の推定に役立ちます(私自身は、体温を測るためにじっとしている間に二度寝してしまったり、当直で測れなかったりも多いので、なかなか継続できませんが…)。基礎体温が最も低い日が排卵日と推測されますが、実際には少しずれていることもあります。排卵検査薬を使ってホルモンの上昇ぐあいから判断したり、卵巣をエコーでみる方法もありますが、どれも絶対とは言い難いです。

また、排卵日2日前から排卵日の間が最も妊娠しやすいと言われていますが、排卵したあと12時間が経つと、卵子の受精率は下がるといわれています。タイミングをとる際は「この一回に賭ける」のではなく、1日あけてもう一度など、複数回トライしてみるのが良いでしょう。

2.受精

排卵後1~2日目に卵管膨大部という部分で精子と出会い、受精が起こります。受精卵となった卵子は、細胞分裂を行いながら排卵4日目ごろに子宮の中へ到達します。

なお、受精卵が子宮へ向かわず卵管膨大部で留まってしまうなど、子宮以外のところで妊娠が成立してしまうのが異所性妊娠(子宮外妊娠)と呼ばれるものです。

子宮外妊娠

3.着床

排卵から着床

受精卵が子宮壁にくっつくことを着床といい、受精後7~8日目ごろから4日ほどかけて起こります。まったく何の症状もない方が多い一方で、この間に着床時出血と呼ばれる、少量の出血がある方もおられます。

着床が完了するのは最後の生理からほぼ1か月後なので、この着床時出血を生理と勘違いされていて、「妊娠?そんなはずありません。この前も生理がきました」とおっしゃられることも多いです。思い返してみればいつもの生理よりも少し量が少なかった/茶色かった/生理痛が軽かったなどというときは、生理ではなく着床時出血の可能性があります。自分の生理のことをいちばんよく知っているのはご自身なので、よく観察しておいてくださいね。

また、この「着床」が何らかの理由で持続しなかったものを化学流産と呼びます。いったんは妊娠によるホルモンであるhCGが出るため、いったん妊娠検査薬が陽性になります。しかし着床が完了しなかったため、子宮にとっては「妊娠しなかった」とみなされ、普段どおりに生理がきます。

尿中hcg

なお、化学流産というのは妊娠検査薬の精度が上がったためにわかるようになったものですが、医学的にはそもそも妊娠に至っていないため、流産の数には含めないことになっています。

排卵から着床までのまとめ

排卵痛や着床時出血もある人とない人がいる

排卵、受精、着床についてあらためてご説明させていただきましたが、いかがでしょうか?

生理痛にもある人とない人がいるように、排卵痛や着床時出血もある人とない人がいます。症状がないからといって、不安になる必要はありません。楽な気持ちで妊活に取り組んでいただけたらなと思います。

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