排卵障害のひとつである、多嚢胞性卵巣症候群。山本モナさんや矢沢心さん、釈由美子さんなど公表している有名人も多いですし、読者の方の中にも多嚢胞性卵巣症候群といわれたことのある方がおられると思います。多嚢胞性卵巣症候群って治るの?自然妊娠できるのかな?という疑問にお答えします。


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海外では多嚢胞性卵巣症候群の治療にピニトールが使用されていると話題に!ピニトールは多嚢胞性卵巣症候群になると欠乏するカイロイノシトールを生成するとのこと。

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多嚢胞性卵巣症候群ってどんなもの?

病気というより、「体質」に近い

多嚢胞性卵巣症候群

こんにちは、産婦人科医の西尾と申します。今回は、多嚢胞性卵巣症候群と自然妊娠についてご説明させていただきます。

多嚢胞性卵巣症候群は、卵胞が十分に育ちきらず、排卵できない状態です。詳しい原因ははっきりしていません。しかし、肥満になりやすいことや将来2型糖尿病になるリスクが、他の人より高いことがわかっています。

このため、卵巣そのものの病気というよりは、糖代謝の異常や全身のホルモンの問題ではないかと考えられています。治ることは基本的にありませんので、「体質」と思ってもらうと理解しやすいでしょう。

よくみられる症状としては、初潮時からの月経不順、肥満、多毛(毛深い)、声が低い、にきびができやすいなどが挙げられます。日本では、多毛や肥満がある人の割合は欧米よりやや少なめです。

「生理がたまにしか来ない」など、月経異常があることは診断基準の一つです。また経腟エコーで卵巣に、排卵に至らなかった卵胞がたくさんある「ネックレスサイン」が見られること、ホルモン検査でFSH(卵胞刺激ホルモン)よりLH(黄体化ホルモン)の方が高いか、男性ホルモンの値がやや高めなことから診断します。

妊娠を希望する方には排卵誘発剤を使うのが一般的です。しかし「できれば排卵誘発せずに、自然妊娠を目指したい!」という方には、以下のような方法をご提案します。

多嚢胞性卵巣症候群があっても、自然妊娠するには

肥満ならまず体重を減らす

Woman sleeping
Woman sleeping / WarmSleepy

体重(kg)を身長(m)の2乗で割った「BMI」という値が25以上の場合を、医学的に肥満としています。古いデータですが1993年の日本産婦人科学会の調査では、多嚢胞性卵巣症候群の人のうち少なくとも20%は肥満であることが報告されています。

肥満であれば、体重を5~7%減らすだけで、排卵率が上がることがわかっています。多嚢胞性卵巣症候群において排卵率が上がる、ということは、自然妊娠する確率が上がるということでもあります。

急な体重減少は生理が狂う原因になりますので、食事療法と適切な運動で、1か月以上かけて落とすのが望ましいです。

糖尿病の薬が効く可能性

Woman talking on cellphone
Woman talking on cellphone / WarmSleepy

多嚢胞性卵巣症候群があると糖尿病になるリスクも上がることはさきほどお話ししました。多嚢胞性卵巣症候群の人の中には、血糖を下げるホルモンであるインスリンが、たくさん分泌されているにもかかわらず、血糖が下がりにくい人がいます。これをインスリン抵抗性といいます。

平たく言うと、「体質的にインスリンが効きにくい」から、インスリンを多めに分泌しているのです。インスリンは、男性ホルモンのもととなるアンドロゲンを作らせようとする働きがあるため、多く分泌されると排卵しにくくなります。それではなかなか自然妊娠しませんよね。

でも、さまざまな研究で、インスリン抵抗性のある方には、糖尿病で使う薬のうち、「メトホルミン」という種類のものが効くことがわかってきました。血糖そのものの治療ではないので自費になることが多いのですが、不妊治療を行っている産婦人科では、処方している病院も数多くあります。

メトホルミンを飲むことで、インスリン抵抗性が下がり、インスリンの量が減ります。するとアンドロゲンも作られにくくなり、男性ホルモンの量が減って、排卵率が上がり、自然妊娠できるというわけです。

手術で卵巣に穴をあける

Ewa woman
Ewa woman / D-Stanley

上の2つに比べて、「自然妊娠」というには大掛かりな感じではありますが、手術をする方法もあります。

全身麻酔をかけて、腹腔鏡という細いカメラで見ながら、卵巣に何か所も穴をあけていく方法です。卵巣焼灼術とも、多孔術とも言われます。お腹の傷は5mm~2cmのものが数か所できます。

多嚢胞性卵巣症候群では、内服の排卵誘発剤では排卵率は50%ですが、この手術の後の排卵率は70%以上と言われており、効果の高い方法です。

自然妊娠率も40~80%に上がります。しかし術後1~2年で効果がなくなり、また排卵しにくい状態に戻ってしまいます。

多嚢胞性卵巣症候群でも自然妊娠できる

できることはトライしてみよう

多嚢胞性卵巣症候群があっても、なるだけ自然妊娠を望むのであれば、上に挙げたことを実践していただくのが良いかと思います。体重を少し減らすだけで自然妊娠率が上がるなんてびっくりしますが、ちゃんとデータで裏付けされています。

しかし目標は赤ちゃんを授かることですから、自然妊娠だけにこだわるのではなく、必要があれば排卵誘発剤を使う、体外受精をするといった方法に変える柔軟さも持っておいてくださいね。

(参考)

体外受精

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