女性は35歳を超えると「高年妊娠」「高年出産」といってハイリスク妊娠とされます。でも、男性はなんとなく「生涯現役」「何歳でもパパになれる」というイメージがありませんか?年齢を重ねることが妊娠に影響を与えるのは女性側だけなのか、考えてみました。


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男性は何歳でも妊娠させられるの?

精子も年を取る?

産婦人科医の西尾と申します。今回は男性の妊娠力と年齢にまつわる疑問についてご説明します。

私たち女性には「妊娠適齢期」があります。やはり10代で生理が始まって、50歳前後に閉経というイベントを抱えている以上、いつまでも妊娠できるわけではないことは、みなさんご存知だと思います。一般的には35歳頃から妊娠する確率が下がっていきます。43歳を超えると自然妊娠は難しく、仮に妊娠した場合でも染色体異常などがあり流産する可能性が高くなります。

では、男性はどうなのでしょう?近年は郷ひろみさんや石田純一さんなど、50代でパパになった男性芸能人が話題になりました。卵子は生まれた時から減っていく一方ですが、精子は毎日作り出されます。実際のところ、男性の年齢と妊娠させやすさには関係があるのでしょうか

男性が年齢を重ねるとどうなる?

精液所見は変化する?

  • 精子数、精液量…
    年齢を重ねるにつれて、男性が作る精子の数や精液量は減るといわれています。
  • 精子濃度…
    精子数、精液量がともに減少するため、変化しにくいようです。しかし、50代以上ではそれ以下の年齢に比べ、減少します。
  • 運動率…
    30代以下と比べると、40代では4%ほど低下します。50代以上ではもっと下がります。
  • 形態正常精子の数…
    10%以上減るといわれています。

この結果を見ると、やはり精子は「年を取る」のですね。

自然妊娠率は下がる?

男性の妊娠させる力を比較した研究がデンマークで行われています。20歳の時の妊娠させやすさを1とすると、20歳から35歳ごろまでは1以上(=妊娠させやすい)であるようです。35歳過ぎから徐々に低下していき、45歳になるとその値は約0.8となり、妊娠させにくくなるという結果が出ています。

人工授精、顕微授精の成功率は変わる?

精子がありさえすれば、遠心分離など手を加えてなるだけ元気な精子を選び出し、人工授精や顕微授精という方法で受精させることができます。実は男性の年齢が高齢になることで、人工授精や顕微授精の成功率が変化するかどうか、はっきりしたことはわかっていません。成功率が下がるという報告も、変化しないという報告もあって、どちらとも言い切れない状態なのです。

しかし精液検査の所見からいくと「精子も年を取る」ので、少なくとも成功率が上がることはないでしょう。

流産しやすくなるってホント?

一般的に妊娠初期の流産率は、15%です。

男性の年齢が35歳を超えると18%に増加するという報告があります。加藤茶夫妻のように男性の年齢だけが高く、女性は若い、というカップルは一般的には多くありませんから、女性がどんなに若くても男性が高齢だと流産率が増えると言い切れるわけではありません。しかし、気になるデータではあります。

生まれてくる子供に影響は?

父親が50歳以上だと、子どもが一部の骨の病気や神経の病気、クラインフェルター症候群(性染色体がXYではなく、XXY)、統合失調症になるリスクが一般人口よりも高くなるという報告があります。同じ論文の中には、父親が40歳以上だと自閉症やダウン症候群(21トリソミー)となる可能性がやはり一般人口より少し高くなるということも書かれています。

そう聞くととても怖い気持ちになりますが、何の問題もなく生まれてまったく健康に育つ子もたくさんいますよ。

他の要因

妊娠しやすい精子である条件のひとつは「定期的に射精されていること」です。なんとなく禁欲すると精子が濃くなるのではないか?と思ってしまいそうですが、実際は禁欲期間が長ければ長いほど、精子はダメになっていきます。妊娠するためには、一か月のうちに何度も性交渉があったほうが良いのです。そのための性欲、体力は若いほうがありそうですね。

また、仕事に従事する年数が増すごとに社会的責任が増え、帰宅が遅くなりがち…ということも。そういう点でも、男性の年齢がデメリットになることはあるかもしれません。

男性も女性も、一日も早く妊活を始めよう

いつでも妊娠させられる、と慢心してはダメ

以上から、女性のように「○歳から妊娠しにくくなる」という明確な境目はありませんが、男性も緩やかに妊娠させる力は落ちてくることが判明しつつあります。

愛するパートナーと一緒に年を重ねていけることは素敵なことです。ただ子供をもちたいと思ったら、男性は「何歳になっても子供を作れる」と慢心せず、一日も早くパートナーと妊活を始めることをお勧めします。

参考文献

Stewart AF and Kim ED. Fertility concerns for aging male. Urology 78:498-499,2011

Rothman KJ et al. Volitional determinants and age-related decline in fecundability: a general population prospective cohort study in Denmark. Fertil.Steril.99. 1958-1964,2013

Kovac JR et al. The effects of advanced paternal age on fertility.Asian J.Androl.15 723-728,2013

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