妊娠準備の身体づくり中や妊娠中の女性には、葉酸以外にも身体に必要な栄養素があります。健康な赤ちゃんのために食事や妊活サプリを使って妊活中の方や妊婦さんに意識的にとって欲しい栄養素について解説します。


葉酸以外に妊活中の女性や妊婦さんにとって欲しい妊活サプリ

妊活サプリは葉酸以外の栄養素があります

薬剤師ライターのerumoと申します。

みなさんは「妊活サプリ」と聞くと、まず葉酸を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は葉酸以外にも健康な赤ちゃんのために必要な栄養素があります。

栄養素は必要ですが、仕事や家事などで毎日忙しい妊活中の女性や妊婦さんが、栄養素を意識した食事を毎食用意することはなかなか難しいもの。この記事では、健康な赤ちゃんのために必要な栄養素や、妊活サプリの使い方についてまとめています。

葉酸以外にも妊活中の女性や妊婦さんには必要な栄養素があります

医薬品と妊活サプリは何がちがうの?

食品であるサプリメントには、医薬品のよまずあなたに知っておいて欲しいことは「妊活サプリは医薬品ではない」ということです。サプリメントや医薬品についての分類や考え方は、国や地域によって違います。このコラムでは、日本での考え方に基づいてお話をしています。

日本では、口から身体の中に摂取するものは「食品」と「医薬品」に分類されます。

  • 「食品」とは
    肉、野菜、魚、穀類など毎日の食事として食べる食材などのほか、冷凍食品やコンビニエンスストアのお弁当などの加工食品、スイーツや果物などが含まれます。お茶、ジュース、アルコールなどの飲み物も食品に分類されます。
  • 「医薬品」とは
    病院や薬局でもらう医療用の医薬品と街のドラッグストアで販売されている一般用の医薬品に分類されます。

そして、この分類の中で妊活サプリは「食品」に分類されます。妊活サプリは、タブレットやカプセルの形をしているものが多いため、一見、医薬品のように見えますが、サプリメントは日本国内では「食品」に分類され医薬品としては扱われていません。

ここで少し医薬品についてお話をすると、日本で使われる全ての医薬品は、国の承認を受けています。医薬品としての効き目や安全性が保証されるよう、原料の調達から、製造方法、品質管理、製品の出荷方法など製造の全ての段階で国の厳しい審査を通過したものだけが日本の国内で医薬品として使われています。

食品であるサプリメントには、医薬品のような厳格な管理の下での製造管理は求められてはいませんが、国内で製造される多くのサプリメントは、品質管理の行き届いた製造工場で製造されていています。

妊活中の女性や妊婦さんに積極的に摂って欲しい栄養素

妊娠準備の身体づくりやお腹の赤ちゃんため、妊活している方や妊婦さんに意識的にとって欲しい栄養素について解説します。

葉酸以外の栄養素も積極的に摂取してもらいたいのですが、以下の4つをご紹介します。

  1. 亜鉛
  2. マグネシウム
  3. ビタミンB1
  4. ビタミンB2

妊活している女性、妊婦さん、お腹の赤ちゃんに必要な栄養素は、まず、普段の食事やおやつなど食生活の充実、見直し、改善により摂取することが望ましいです。

普段のお食事や皆と一緒に食べるおやつは、食べ物の味だけでなく、テーブルを囲む人達とのおしゃべりやお食事の見た目、におい、暖かい雰囲気など、私たちの心を豊かにしてくれます。

同じカロリー、同じ栄養素、同じ手間をかけた食事でも、それを食べるときの周りの様子やそのときの気分で全然違うと思いませんか。これからあなたにやってくる赤ちゃんやお腹にいる赤ちゃんも、きっと食事の楽しさを感じているはずです。

まずは、普段の食生活を大切にしましょう。それでも不足してしまう栄養素があるときには妊活サプリを活用してください。

1)亜鉛

亜鉛とは

亜鉛は、私たちの健康維持に重要な役割を果たす必須微量元素のひとつです。私たちの身体にはたくさんの金属が存在していますが、亜鉛は、鉄に続いて2番目に私たちの身体に多く含まれる金属です。

亜鉛は、身体の中で働き多種の酵素の成分、たんぱく質の合成、細胞の成長や細胞分裂など私たちの身体の細胞の入れ替わりや代謝に中心的役割を果たしています。

細胞分裂に大きな役割を果たす亜鉛は、細胞分裂を繰り返す受精卵にとっても重要な微量元素です。お腹の中の赤ちゃんが成長するのに必要な成長ホルモンを助ける働きも亜鉛にはあるため、妊娠準備中や妊娠中は亜鉛を積極的にとるとよいでしょう。

亜鉛を多く含む食品

亜鉛は、すべての細胞に存在しているため、肉・魚介・種実・穀類など動植物を問わず多くの食品に含まれています。

牡蠣 レバー 牛肉  卵 チーズ ピュアココア ナッツ類

亜鉛が不足すると

亜鉛は、ほとんど全ての食品に含まれますので、普通の食生活であれば不足する心配はありません。

亜鉛が不足すると、味覚障害や皮膚炎などを発症すること言われています。私たちは食べ物の味を舌で感じていますが、舌には味蕾(みらい)と呼ばれる微小な細胞がたくさんあり、この味蕾が味を判別しています。味蕾は1ヶ月に1回入れ替わるほど新陳代謝が活発ですが、亜鉛が不足するとこの新陳代謝が行われず、味蕾の数が減ってしまい味覚障害が起こります。味覚障害になると、味を感じることができず食欲不振にもつながります。お母さんが食欲不振では、必要な食事がとれず、赤ちゃんの栄養状態も悪くなってしまいます。

亜鉛の吸収を阻害する要素

亜鉛の吸収を妨げる要素もあります。インスタント食品などの加工食品に含まれるフィチン酸やポリリン酸は亜鉛の吸収を妨げる要素であるといわれています。せっかく食事や妊活サプリから亜鉛をとっても、身体に吸収されなければそのまま体外に排出されてしまいます。妊活中や妊娠中はメニューに豊富な食材を使う、手作りの食事を心がけるなど、食事の中の加工食品を減らすことを心がけましょう。

2)マグネシウム

マグネシウムとは

マグネシウムは、私たちの身体を健康に保つためのほとんど全ての活動に使われる必須のミネラルです。食べ物からエネルギーを取り出す、代謝活動をするなど私たちの生命を維持するための活動に使われます。また、あまり知られていませんが、骨を丈夫にするために必要なカルシウムとも密接な関係があり、カルシウムが骨に取り込まれるときに必要なミネラルでもあります。

生命活動を維持するために必要なマグネシウムは、お腹の赤ちゃんにとっても必要なミネラルです。また、妊娠中のお母さんは、赤ちゃんに優先してカルシウムを届けるためカルシウム不足になりがちです。カルシウムが不足すると、骨がもろくなり、将来、骨粗鬆症を発症することもあります。マグネシウムは、カルシウムと一緒に働くことによって骨を丈夫にしますから、赤ちゃんの骨を丈夫にするためにも、お母さんの将来の骨粗鬆症の発症を予防するためにも、食事や妊活サプリを活用して上手にマグネシウムをとることを心がけましょう。

マグネシウム多く含む食品

ほとんどの食品に偏りなく含まれていますが、魚や海藻、大豆製品やナッツ類など動植物を問わず多くの食品に含まれています。

    ひじき、干しえび、いくら、ピュアココア、納豆

マグネシウムが不足すると

マグネシウムは、動物、植物を問わずほとんど全ての細胞に広く含まれています。野菜や肉、魚、ナッツなど加工されていない食品にはまんべんなく含まれるので、通常の食事をしている健康な人であれば、普段の食生活でマグネシウムが不足することはほとんどありません。

マグネシウムが不足すると、短期的には学習能力や記憶力が低下すると言われています。また、不整脈や不眠、疲労感が残るなどの症状が見られる場合もあります。これらの症状は、カルシウムの吸収にマグネシウムが密接に関係しているためと推測されています。

慢性的にマグネシウムが不足するとだるさやしびれ、食欲低下や腹痛などの症状が現れることもあります。また、記憶障害や抑うつなどの神経症状の発症にマグネシウム不足が関与しているとの推測もあります。これは、神経細胞の活動を助けるビタミンB1が働くときにマグネシウムが消費されることが関連しています。

お母さんは、お腹の赤ちゃんに優先的にマグネシウムを届けます。お母さんのマグネシウムが不足すると、お母さんが不眠になる、疲労がたまるなど、日常生活に支障を来してしまうこともあります。お母さんが元気でなければ、赤ちゃんも元気がなくなってしまいます。お母さんが元気を保つためにも、妊活サプリなどによるマグネシウムの補給も大切です。

3)ビタミンB1

ビタミンB1とは

ビタミンB1は、別名チアミン(thiamin)とも呼ばれる水溶性のビタミンです。糖質代謝や身体の中でエネルギーを生み出す活動に関する酵素を助ける働きがあります。ビタミンB1が不足している状態でエネルギーを生み出す活動を続けると、疲労物質である乳酸が筋肉中にたまり疲労を感じやすくなります。また、ビタミンB1は、脳に必要なエネルギーを生み出す働きを助ける働きもしています。

ビタミンB1多く含む食品

ビタミンB1は、豚肉、ウナギ、グリンピース、大豆製品などに多く含まれています。穀類の胚芽部分にも多く含まれています。穀類の胚芽部分は、精製することにより穀物から除かれてしまいますので、精製度の低い穀類がより多くビタミンB1を含みます。お米ならば玄米や胚芽米、小麦製品ならば全粒粉が使われているパンやパスタを選ぶことをおすすめします。

    豚肉、うなぎ、魚卵、玄米、大豆

ビタミンB1が不足すると

ビタミンB1は、私たちが活動するために必要なエネルギーを作り出す、脂質やタンパク質の代謝など私たちが生命を維持する活動に必要なビタミンです。不足すると、食事から栄養が効率的にとることができなくなり栄養不足になる、活動のためのエネルギーを作り出すことができず疲れやすくなる、疲労の回復が遅くなるなどの症状がでます。

また、全身の運動や感覚を支配している神経は、脳によって制御されています。ビタミンB1が不足すると、脳が必要とするエネルギーが不足して神経を支配している脳がしっかり働かないと、運動神経や精神活動が低下し、運動機能の低下や精神の不安定が発症することがあります。

ビタミンB1が不足すると、お母さんの代謝機能が低下し食事から十分な栄養をとることができず、赤ちゃんに必要な栄養が行き届かなくなることがあります。赤ちゃんに十分な栄養が行き届かないと赤ちゃんの成長に影響が出ることも考えられます。ビタミンB1不足によりお母さんが疲れやすい、疲れがなかなかとれない状態になると、妊娠が維持できなくなる恐れもあります。

4)ビタミンB2

ビタミンB2とは

ビタミンB2は、別名リボフラビン(riboflavin)とも呼ばれる水溶性のビタミンです。私たちの身体に食事として吸収されたほとんどの栄養素の代謝に関わる酵素を助ける働きがあります。また、身体の成長促進・皮膚や粘膜を保護する働きもあります。

ビタミンB2多く含む食品

ビタミンB2は、野菜や果物などの植物性の食品よりも、牛肉や豚肉などの肉類やどじょう、やつめうなぎなどの魚類など動物性の食品に多く含まれています。肉類の中でもレバーは、ビタミンB2を豊富に含みます。ただし、豚レバーや鶏レバーは、ビタミンB2を含みますが、ビタミンAも多く含んでいるため、レバーからのビタミンB2をとるときにはビタミンAへの配慮が必要です。たまごにもビタミンB2は多く含まれています。

    豚レバー、鶏レバー、うなぎ、納豆、玉子、のり(海藻)

ビタミンB1やB2はデリケートな性質をもつため、加熱や水洗いによって多くのビタミンB1、B2が失われてしまいます。調理法の工夫などにより食事の中のビタミンB1、B2を保つことを心がけましょう。また、肉類やレバー、玄米などは苦手な食材としてあげる方も多いです。食事からビタミンB1、B2をとることが難しい場合は、妊活サプリによって補う方法もあります。

ビタミンB2が不足すると

ビタミンB2には、身体の成長や皮膚、粘膜を保護する働きがあるので、不足すると低体重や低身長などの成長障害や脂漏性皮膚炎・口内炎など皮膚や粘膜に関する障害をひき起こすことが知られています。

ビタミンB2が不足すると、赤ちゃんは成長障害を発症するリスクが高まると言われています。ビタミンB2は粘膜や皮膚を健康に保つ働きがありますので、不足することにより口内炎や皮膚炎など、お母さんに粘膜や皮膚のトラブルが起こることもあります。

必要な栄養素はまずは食事から 足りない栄養は妊活サプリで補う

妊活サプリを活用するときは、主治医の先生に相談しましょう

妊活サプリを活用するときは、飲みはじめる前に主治医の先生に相談してください。

補う栄養素によっては、妊婦さんやお腹の赤ちゃんに大きな影響を与えたり、治療のために服用している医薬品の効き目に変化をひき起こすことがあります。妊活サプリの活用は自己判断せず、まずは主治医の先生に相談しましょう。

妊活サプリを賢く使って、赤ちゃんのためにも、ママのためにも、身体も心も豊かな食生活と栄養を心がけましょう。

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