妊娠初期によく「めまい」を訴える方がいらっしゃいます。今回は妊娠初期によく見られる「めまい」の原因とその対処方法、危険な「めまい」の見分け方などについてお話ししましょう。


妊娠初期の「めまい」、その原因と対策について

めまいの原因はさまざま。中には危険なめまいも。

現役医師ライターのabiabiです。

今回は、妊娠初期の「めまい」の原因とその対策、さらに、放置しておいたら大変なことになる可能性がある危険な「めまい」の見分け方などについてお話していきましょう。

妊娠初期のいわゆる「めまい」にはいくつかの原因があります。「めまい」は種類によって、あまり心配しなくてよいものから、詳しい検査や経過観察が必要なもの、最悪、生命にかかわるものまでさまざまです。

では、さっそく「めまい」の種類と見分け方、とくに妊娠初期によく見られる「めまい」について、その原因別に見ていきましょう。

妊娠初期におこる目まいの原因

自律神経性の「めまい」

妊娠初期の「めまい」の中で一番多いのがこのタイプの「めまい」です。妊娠によってホルモンバランスが大きく変化することにより自律神経のバランスが崩れてめまいを起こします。

症状としては「フラフラする感じ」「ボーっとする感じ」「ぐるぐる回る感じ」とさまざまです。「ぐるぐる回る感じ」のめまいの場合は吐き気を伴うことがあります。ただ、妊娠初期はつわりで吐き気がする方も多いので区別がつきにくいと思います。

いずれにせよこのタイプの「めまい」はリラックスして安静にすることでよくなります。とくに「ぐるぐる回る感じ」のめまいは頭を動かすとひどくなることが多いので、落ち着くまでゆっくり横になってできるだけ頭を動かさないようにしましょう。ぬるめのお風呂にゆっくりつかることや、マタニティエステやマッサージもおすすめです。

ストレスから来る「めまい」

これも自律神経性のめまいと並び、妊娠初期の妊婦さんに多いめまいです。

妊娠初期は精神的にも身体的(肉体的)にも本人が自覚している以上にストレスを感じていることが多いものです。妊娠自体や体調の不安に加え、上のお子さんがいる場合は育児ストレスも倍増します。

それ以外でも、妊娠によって味やにおいの嗜好(好ききらい)が変化することがよくありますが、今まで好きだった化粧品や食べ物のにおいを受け付けなくなるなど、こまかいストレスの原因はたくさんあります。

こちらもできるだけストレスの原因を減らす工夫をするのと、リラックスして気持ちにゆとりを持つことでめまいを減らすことができます。入浴や温泉、エステやマッサージもおすすめです。

貧血による「めまい」

次に多いのが貧血からくる「めまい」です。

ご存知のように妊娠中は「鉄欠乏性貧血」になることがよくあります。妊婦健診で貧血を指摘されたら、主治医の指示通りきちんと治療するようにしましょう。飲み薬が合わない(吐き気がするなど)場合などは、放置せずに主治医に相談して薬を変えてもらうか必要な場合はしばらく注射に通いましょう。

いずれにせよ妊娠中の貧血を放置しておくのはよくありません。ただし、貧血からくるめまいでは「ぐるぐる回る感じ」のめまいは起きません。「ぐるぐる回る感じ」のめまいの場合は貧血以外の原因を考えることが必要です。

高血圧による「めまい」

これは少し危険な「めまい」です。

血圧が上がることでも「めまい」が起きます。妊娠中に血圧が上がるのはよくありません。妊娠高血圧(以前は妊娠中毒症と呼んでいました)は放置しておくと母体にも胎児にも危険なことがおきる可能性があります。

とくに妊娠初期から血圧が上がるような場合は要注意です。以前に妊娠高血圧や妊娠中毒症を指摘された方や肥満気味の方、血圧がもともと高めの方などは特に注意しましょう。

妊娠初期は妊婦健診の間隔が1ヶ月おきですので、気になる症状があれば次の妊婦健診まで待たずに早めに一度受診しましょう。

内耳性の「めまい」

「内耳性」とはあまり聞き慣れない言葉かも知れません。

内耳とは耳の奥にある、脳に音を伝える器官ですが、この器官は人間の平衡感覚(まっすぐ立っていられるのに必要な感覚)もつかさどっています。ここに異常があると「ぐるぐる回る感じ」のめまいがおきます。

ひどいとふらついて立ち上がれなくなったり、吐き気がしたりします。無理に立ち上がろうとするとバランスを崩して倒れてしまうことがあるので十分注意してください。同じような症状は、前に書いた自律神経の異常やストレスによる「めまい」でも起きることがあるので区別が必要です。

一過性(すぐによくなる)の場合や、単発性(1回だけでくり返さない)の場合はあまり心配ないことが多いのですが、長く続いたりくり返す場合、だんだんひどくなる場合は必ず主治医に相談してください。内耳の詳しい検査は産婦人科ではなく「めまい」が専門の耳鼻科で行います。

脳の病気による「めまい」

頻度は非常に少ないのであまり心配しすぎる必要はありませんが、一番危険な「めまい」は脳腫瘍など脳の病気からくる「めまい」です。

脳の病気からくる「めまい」はもちろん妊娠初期や妊娠中に限られたものではありませんし、妊娠初期に脳の病気になりやすいわけでもありません。しかし妊娠中は「妊娠中によく起きるめまい」と間違えて見逃される危険があるので注意が必要です。

脳の病気による「めまい」に特徴的なのは、一過性でも単発性でもなく「何度もくり返す」「症状が長く続く」「症状が変わらないかひどくなってくる」などです。もし心配な場合には主治医に相談してみましょう。

ただ、最初に述べたように脳の病気が原因のめまいはきわめてまれですが、以前に脳の病気をしたことがある方などは注意が必要です。

妊娠初期の「めまい」は原因の鑑別が大切

妊娠初期の「めまい」は見過ごさないように

妊娠初期の「めまい」で一番多いのは「ストレス」や「ホルモンバランスの変化」による一過性のめまいですがが、ごくまれに脳腫瘍など脳の病気から来る「めまい」もあります。

「長く続くめまい」、「くり返すめまい」、「だんだんひどくなってくるめまい」は注意した方がいいでしょう。気になるときは早めに主治医に相談してください。

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