サプリメントに頼りがちな栄養補給ですが、まずは食事から補給することを考えましょう。なぜなら、それぞれの栄養素は血液の中でたんぱく質と結合して各細胞へと運ばれためです。食事でたんぱく質を効率よく補給することから始まります。


あなたの体は、子供が授かり、育て、産むための栄養の準備が出来ていますか?

食事の目的は、エネルギーの補給ではありません

管理栄養士の穴山 幸と申します。今回は、妊活に必要な栄養素をご紹介しながら、サプリメントになるべく頼らず、それらを簡単に補給できるレシピをご紹介します。

食事の目的は、エネルギーを補給するだけでなく、体の材料を補給するためのものです。カロリーを減らすことばかり考えていると、必要な体の材料の補給が疎かになりがちです。女性は特に痩せ志向が強く、カロリーをコントロールしがちです。すると体(細胞)に必要な脂肪やたんぱく質、ビタミン、ミネラルが不足してしまいがちに…。食事はエネルギー(カロリー)を補給するためだけでなく、まずは体の材料を補給する目的があることを意識しましょう。

体の材料(栄養素)とは、「水」約60~70%、「たんぱく質」約16%、「脂質」約15%、ミネラル約6%、糖質約1%未満という組成です。化学調味料、サラダ油、トランス脂肪酸、精白した穀類(白米、小麦粉など)、白砂糖、清涼飲料水などは体(細胞)の材料として、質が低下してしまうため、多用には注意しましょう。

あなたの細胞は何兆?

人の体は体重1g当たり1億個の細胞で出来ていると言われ、例えば60kgの人の体の場合、60兆個の細胞で出来ていると言われています。あなたの細胞は何兆個ですか?

そしてその細胞は、役目が終わると新しい細胞へと生まれ変わります。それは毎瞬毎瞬行われていて、これが新陳代謝です。人の血液は約3~4か月お気に全く新しい血液へと入れ替わり、その材料はあなたの食べたもの、飲んだもので作られています。

ご自身の健康を確保した上で、赤ちゃんをも生み育てられる完璧な栄養条件が揃っていないと、精子を着床させ、子宮内で育むことが出来ないのは、想像にたやすいことです。

妊活サプリに頼らない!自分でできる簡単レシピ5選

おすすめ栄養素:たんぱく質

たんぱく質は、細胞の材料の一つです。もちろん子宮の細胞の材料にもなります。また、からだを構成する成分であるだけでなく、ホルモンや酵素の材料、またミネラルや脂質などを運ぶトラック役となる大切なたんぱく質が不足してしまうと、他の栄養素も各細胞に届けることが出来ず、栄養不足という結果に陥る可能性があります。

しかし40%近くの女性でたんぱく質の補給量が足りていないということが明らかになっています。食品をみても、肉、魚、卵、大豆食品などの主要なたんぱく源すべてが不足しているそうです。

ソーセージやハム、はんぺん、魚肉ソーセージなどの加工肉、加工魚や冷凍食品などは、タンパク質源が意外と含まれていません。ぶたの赤身ロース肉100gとロースハム100gのたんぱく質量を比較すると、ぶた赤身ロースが22.7g、ロースハムが16.5gと差が出てしまいます。なるべく加工食品は避け、生鮮食品としてのお肉やお魚を毎日とり入れましょう。

自分でできる簡単レシピ1:減塩昆布茶のわかめと卵のスープ

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タンパク質はなるべく体内での利用効率が良い、動物性のものをチョイスしましょう。卵はプロテインスコア100の効率の良いたんぱく質源です。お肉やお魚が少ない場合は、今回ご紹介する簡単卵スープなどでたんぱく質を補給するのがおすすめです。卵は、冷蔵庫で保存がきくため、備えておけば、お味噌汁に加えたり、サラダに温泉卵をのせたりと手軽にたんぱく質を加えることが出来るのでおすすめです。

因みに、卵をたくさん食べるとコレステロールが増加して健康に悪い…というのは嘘です。この実験は、草食動物のウサギでの実験結果です。人間で調査したところそのような事実はなく、5個以上毎日食べ続けてもコレステロールには影響しないというデータが出ているほどです。安心して卵をいつでも利用してくださいね。

参考サイト:cookpad

おすすめ栄養素:鉄

鉄は、酸素を運ぶ赤血球の材料となります。不妊治療を行うレディースクリニックの患者さんの約9割が潜在的な鉄欠乏性貧血であるというデータがあります。鉄が少ないと酸素を運ぶことが出来ず、細胞の代謝が悪くなります。また、卵子にダメージを与える活性酸素を消去する抗酸化酵素が働くためにも鉄が必須です。妊活中にも必要な鉄ですが、妊娠中にも赤ちゃんと胎盤の育成に鉄が欠かせません。妊活中そして妊娠中にしっかりと鉄を補給しておくことが、安全な出産へとつながります。

女性は、1mg/日の鉄を補給して、1mg/日の鉄を代謝に使いますが、月経で30mgの鉄が失われてしまうため、男性以上に鉄を補給する必要があります。

鉄を多く含む食材には、レバーや牛赤身肉、かも肉、羊肉、鹿肉、骨付き豚肉、鶏手羽肉、鶏もも肉、砂肝、かつお、まぐろ、煮干し、さば、いわし等に豊富に含まれており、これらは体内での吸収率が10~20%と高いヘム鉄を豊富に含んでおります。よくほうれん草、ひじき、プルーンなどで鉄を補給したつもりになっている人がいますが、これら植物性の食品に含まれている鉄は、非ヘム鉄と呼ばれ体内での吸収率が2~5%ととても少ないのです。女性は、男性よりも肉食であるべきなのです。

自分でできる簡単レシピ2:簡単☆フライパンでローストビーフ

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ここでもやはり重要になってくるのは、加工肉ではなく、新鮮な生鮮肉を使用することがポイントとなります。また、レバーや砂肝など様々な部位を食べるのも重要です。今は、スーパーで部位別や切り身で売られていることが多く、便利にそれらを購入しがちですが、あまり目にしない、レバーや肝類、魚の場合は血合い肉や骨の周りの身には、切り身にはない栄養素(特にビタミンやミネラル)が豊富に含まれていることが多いのです。

魚なら頭から尻尾まで食べられるような小魚を日常的に取り入れ、肉は動物丸ごとを食べようと意識することで、様々な栄養素の補給が可能になります。

参考サイト:cookpad

おすすめ栄養素:ビタミンA

ビタミンAは過剰にとり過ぎると奇形の赤ちゃんが生まれるリスクが高まるため、注意しましょうと耳にすることがあります。これは全くの嘘。ビタミンAは粘膜代謝(分化)を正常にする働きを持っています。ビタミンAが不足すると、子宮粘膜上皮の正常な粘膜代謝が保てず、子宮粘膜上皮の機能低下がおき、不妊や流産のリスクにもつながります。妊活中には、満たしておきたい栄養素の一つです。

また、骨を正常に育てたり、胎児の成長を助けたり、母乳の生産に関係していますので、妊活中だけでなく、妊娠中や出産後の女性にも欠かせない栄養素です。

自分でできる簡単レシピ3:あっという間!ほうれん草と人参のナムル☆

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ビタミンAは、動物性食品(レバー、牛乳、バター、チーズ、卵黄など)に多く含まれています。また、植物に含まれるβカロテンは、プロビタミンAとしての作用があるほか、抗酸化作用、抗ガン作用があることが明らかになり、妊活中の抗酸化対策にピッタリです。βカロテンは、ホウレン草、人参、かぼちゃ、ブロッコリー、モロヘイヤ、パセリ、シソ、バジルなどに豊富に含まれています。

栄養素は、毎日体内で使われるため、毎日補給する必要があります。そのため、毎日の常備菜としておすすめしたいのが、ほうれん草と人参のナムルです。ほうれん草でなく、小松菜やニラでアレンジも可能です。

参考サイト:cookpad

おすすめ栄養素:魚の油(EPA、DHA)

EPA、DHAは、ホルモンバランスを整える働きがあり、加齢による女性ホルモンの減少を防いでくれる働きがるそうです。また、早産の予防効果がありそうだという研究結果もあるため、妊活中におすすめの栄養素です。

さらにEPAは、炎症を鎮静化させる働きがあることから、月経前症候群が酷い方や生理痛が酷い方など妊活していない女性にとっても大注目の油です。

赤ちゃんの脳の発達にも大きく関与していため、妊娠期間中はもちろん、母乳にも移行するため、生後1ヵ月くらいまでは積極的に補給することがおすすめです。赤ちゃんの脳や神経細胞は3~6週頃に形成されるため、妊活中からEPAは日常的に摂取しておくことが大切です。また、妊娠後期の3ヵ月にEPA、DHAを積極的に補給することが、赤ちゃんの脳や網膜の発育に有益であることが分かっています。

自分でできる簡単レシピ4:切り身魚で手軽に美味しい♡アクアパッツァ

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魚の油は、酸化しやすいのが特徴です。そのため、酸化させないような調理方法を選ぶ必要があります。高温で、長時間火にかけるお料理はあまりオススメ出来ません。揚げ物や焼くなどの調理方法はなるべく短時間で済ませましょう。出来ればお刺身が望ましく、加熱する場合は、蒸し物、さっと煮、しゃぶしゃぶなどがおすすめです。

今回おすすめするレシピは、アクアパッツアというイタリアの蒸し煮です。レシピでは、鯛を用いていますが、あじ、さば、さんまなど一尾のお魚や、鮭、ぶり、たらなどの切り身でもアレンジ可能です。加えるお野菜も旬のものや、彩り豊なお野菜を用いることで、魚の油の酸化を防いでくれるファイトケミカルもたっぷりと補給することができます。

参考サイト:cookpad

おすすめ栄養素: ビタミンE

ビタミンEは、別名トコフェロールと呼ばれこれは、tocos(子どもを産む)、phero(力を与える)、ol(水酸基をもつ化合物の総称)という意味が語源です。このビタミンEは、女性ホルモンづくりには欠かせない栄養素であり、自律神経のバランスを整えホルモンバランスを調整する働きがあります。さらに血行促進作用があるため、子宮に栄養素たっぷりの血液を送り届けることが可能となります。

もう一つビタミンEの大切な働きは、強い抗酸化作用です。女性ホルモンの材料となるコレステロールの酸化、子宮や卵胞の細胞膜の酸化から、守ってくれるとても心強い栄養素です。そして、ビタミンEの抗酸化力を有効に使うためには、ビタミンCが欠かせません。働いた後に効力を失ったビタミンEを、また再利用できるように復活してくれるのがビタミンCなのです。

自分でできる簡単レシピ5:大根葉のタラコ炒め

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明太子には、ビタミンEとビタミンCがどちらも豊富な食材です。ご飯やパンのお供にも最適のため、冷蔵庫に常備しておきたい食材です。ここでおすすめするレシピは、これまたビタミンEたっぷりの大根の葉と明太子の常備菜です。大根の葉を、かぶの葉やピーマン、ゴーヤなど旬の野菜を取り入れることで、栄養価をUPさせることが出来ます。

参考サイト:cookpad

命をつなぐ食べ物を、食べるということ

私たちの体は、私たちの食べたもの、飲んだもので出来ています

サプリメントが良くないと言っているわけではありません。しかし、品質の良いサプリメントを選び、あなたが不足している分だけ補給することは、かなり難しく、専門家の知識が必要です。また、食事にお金をかけずに安価な加工品に頼りお腹を満たした上で、高額なサプリメントを用いていては、本末転倒です。

それでもサプリメントを利用したい方のために、ここでサプリメント選びのコツを少しお伝えします。

  • 栄養素が天然由来のものであること(体内で利用されやすい)
  • 原材料表示の中で添加物が一番最後に書かれているもの(添加物が少ない)
  • あまりに安価すぎない(品質)
  • 特別な成分ではなく、必須栄養素を補給する
  • 相談できる専門家を探す

等がサプリメントを用いる際のポイントです。

1つ1つの栄養素や食品、生活習慣ではなく、全体としてバランスがとれていることが大切です。何かに偏ったり、頼ったりするのはよくありません。栄養補給をサプリメントに頼ることなく、1日の3食の食事と飲み物を見直し、体作りを行い、それでも不足しがちな栄養素は、専門家のアドバイスを参考にしながら、サプリメントで補給していきましょう。食事もサプリメントも賢く補給していく必要があります。

とても尊い営みである妊活。命をつなぐために、命あるものを補給しながら、命を育んでいけるよう、あなたが食べるもの、飲みものを大切にしてください。正しい食生活は、妊娠の可能性が高くなるだけでなく、女性として、生涯を通した健康に貢献してくれるはずです。

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