芸能人が不妊治療をしたことを公開した影響などで、不妊症が珍しくないことが知られてきました。不妊症を経験するカップルは、10組に1組から6組に1組くらいといわれます。避妊していないのにもかかわらず1-2年以内に妊娠しなければ、不妊症の疑いがあります。


意外と多い不妊症

不妊症を経験するカップルは、10組に1組から6組に1組

現役医師ライターのTINDRAと申します。今回は不妊症の原因と治療についてお話ししましょう。

芸能人が不妊治療をしたことを公開した影響などで、不妊症が珍しくないことが知られてきました。不妊症を経験するカップルは、10組に1組から6組に1組くらいといわれます。避妊をしないカップルで1年以内に妊娠する確率が90%ほどといわれており、避妊していないのにもかかわらず1-2年以内に妊娠しなければ、不妊症の疑いがあります。

また、妊娠22週未満での流産を繰り返す場合は、不妊症ではなく「不育症」(反復・習慣流産)とよばれます。不妊症とは違った、染色体や免疫の異常が原因となることがあります。

不妊症の原因と治療について

男性が原因の不妊と女性が原因の不妊、どちらが多い?

Handshake man - women
Handshake man - women / flazingo_photos

昔は不妊症の原因は女性にあるとされ、離婚の理由になっていたこともありました。

現在は、不妊症の原因は男女ともにあることがわかっています。WHO(世界保健機関)のデータでは、原因が女性のみが41%、男性のみが24%、男女両方にあるのが24%とされ、以前に考えられていたよりも男性に原因があるケースが多いことがわかっています。

男性不妊とその治療について

wet micrscopy sperm
wet micrscopy sperm / Iqbal Osman1

男性不妊症の原因は、

  1. 精子をうまく作れない場合(造精機能障害)
  2. 精子がペニスの先まで運ばれない場合(精路通過障害)
  3. セックスがうまくできない場合(性機能障害)

などがあります。

このうち最初の造精機能障害がもっとも多く、精子が少ない乏精子症、精子がほとんど存在しない無精子症などがあります。造精機能障害の6割は原因不明といわれ、ホルモン薬やビタミン剤の内服、漢方薬などで治療をします。

もともと精子が存在しない無精子症では、かつては他人の精子を使う(非配偶者間人工授精といいます)しか方法がありませんでしたが、今は精液検査で無精子症と診断されても、精巣の中を顕微鏡で探せばわずかに精子がみつかることもあります。

2番目の精路通過障害は、精索静脈瘤などが原因になります。必要に応じて手術で治療します。

3番目の性機能障害も意外におおい原因です。勃起障害(ED)という言葉を聞いたことがある人も多いかと思います。糖尿病など、内科の病気が原因で勃起障害になることがあり、この場合はもとの病気の治療が必要です。セックスはできても膣内での射精ができない人もいます。

男性不妊症の治療は、不妊治療専門のクリニックもしくは泌尿器科で行ないます。

女性不妊とその治療について

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Uterus Anatomy Embroidery Hoop Art Wall Decor in Orange / Hey Paul Studios

女性不妊症の原因は大きく分類すると、

  1. 排卵がうまくいかない
  2. 卵管に問題がある
  3. 子宮に問題がある
  4. その他(染色体の異常や免疫の異常など)

があります。

1番目の排卵がうまくいかない原因はたくさんあり、さまざまなホルモンの異常や極端なやせ・肥満などがあります。排卵しているかどうかを調べるため、基礎体温をつけることが参考になります。不足しているホルモンがあれば薬で補い、排卵誘発剤を使って排卵を起こすことが治療になります。以前は注射で排卵誘発剤を使う患者さんは病院に通わなければいけませんでしたが、今は自宅でも注射ができるようになりました。

2番目の卵管は卵子や精子、受精卵が移動する場所です。卵管に問題があっても妊娠ができません。原因は炎症や子宮内膜症よる癒着や閉塞があります。

3つ目の子宮の問題には先天的な子宮の形態異常、子宮筋腫やポリープによって着床がうまくいかないなどがあります。

卵管に癒着や閉塞があったり、子宮筋腫や子宮内膜症があったりするために妊娠できない場合は手術をします。もちろん、卵巣や子宮がなくなってしまっては妊娠ができませんので、問題がある部分だけを治すよう慎重に行なわれます。

最後にその他の女性不妊症の原因ですが、もともと性染色体の異常があり、外見は女性でも子宮や卵巣などがないケース、パートナーの精子の運動を妨げる因子を女性がもっているケースなどさまざまです。

原因がわからない不妊症もある?

いろいろと検査をしてみたものの、はっきりとした原因がわからない不妊症のケースもあります。WHOのデータでは不妊症のカップルのうち11%は原因が不明とされています。

不妊症の高度生殖治療について

Par1751373
Par1751373 / abodftyh

自然な妊娠が難しい場合は、人工授精、体外受精と治療がステップアップします。人工授精は、排卵の時期に、採取した精子を注射器で女性の膣内に注入するというもので、ほとんど体に負担はかかりません。費用も数万円程度です。

体外受精はより高度な治療です。卵子を女性の体から取り出し、質のいいものを選んで精子と受精させます。受精する場所が身体の外なので「体外受精」といいます。受精卵になったことが確認できたら、女性の体内に受精卵を戻します。

卵子を取り出すため女性側に負担がかかり、費用も数十万円ほどで経済的にも負担は大きいですが、体外受精で妊娠した人は今では珍しくなくなりました。

人工授精や体外受精で妊娠したからといって、自然妊娠の赤ちゃんに比べて異常が多いことはありませんので安心してください。

まとめ

不妊症かもと思ったら一人で悩まず医師に相談を

冒頭にお伝えしましたが、不妊症を経験するカップルは、10組に1組から6組に1組くらいと珍しくありません。

避妊していないのにもかかわらず1-2年以内に妊娠しなければ、不妊症の疑いがあるため産婦人科・泌尿器科に受診することをおすすめします。

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