妊娠を希望している女性にとって一番気になるのは「年齢ごとの妊娠確率」ではないでしょうか。毎日少しずつ年を取っていくことに焦りを感じている妊活中の女性も多いことでしょう。現在のご自身の年齢で妊娠できる確率がどのぐらいかを客観的に理解し、妊活を成功させましょう!
妊娠できる確率は年齢で異なるのが現実
客観的に理解することが大切です
妊娠を希望している女性にとって気になるのは年齢の壁。そして年齢によって異なる妊娠できる確率です。ご自身の年齢によってどれだけ確率が異なるのかを参考にしてください。
年齢によっては「もっと若い年齢のときに子供を作っておけば良かった・・・」と後悔する気持ちになるかもしれませんが、現在のご自身の年齢で妊娠できる確率がどのぐらいかを客観的に理解し、妊活を成功させましょう!
あなたが妊娠できる確率は?年齢別に見る妊娠の確率
年齢別の自然妊娠率 40歳を超えると36%に低下
まずは自然妊娠率を年齢別に見ていきましょう。
自然妊娠とは不妊治療などを行わず妊娠することなので、“妊娠するために医療行為を受けず自然に妊娠する確率”です。排卵日を調べて夫婦生活を持ったり、妊娠しやすいと言われるサプリメントを利用するなどももちろん自然妊娠に含まれます。
(参考書籍)
年齢(歳) | 妊娠率 |
20-24 | 86% |
25-29 | 78% |
30-34 | 63% |
35-39 | 52% |
40-44 | 36% |
45-49 | 5% |
50~ | 0% |
30歳まではおおよそ78%の確率があるということは、多くのカップルが1年間あれば問題なく妊娠できるということです。
ところが30代後半では52%、40歳を超えると36%と急激に妊娠率は減少しますので、不妊治療が必要になることが多いようです。
そもそもの確率は?受精・着床・妊娠
健康な男女が普通に夫婦生活を持っていると、どのぐらいの確率で妊娠するのでしょうか?年齢を問わず一般的なそもそもの確率を見ていきましょう。
- 受精率:80%
受精とは、夫婦生活により精子と卵子が子宮で出会うことです。 - 着床率:受精の半分以下と言われている
着床とは、受精により作られた受精卵が子宮内に定着することです。 - 1周期あたりの妊娠率:10%(※)
30代前半の健康な男女が1周期あたりに妊娠する確率です。累積された妊娠率で「1年以内で約7割が妊娠する」という研究から導いた割合です。
(※根拠となる細かい計算)
30代前半のカップルの1周期(1カ月)の妊娠率を10%と仮定します。年に12回、妊娠しやすい排卵日前後に性交渉があったとして、12回とも妊娠しない確率は、90%の12乗=28.2%です。言い換えると、71.8%の確率で妊娠するという計算になり、研究結果と近い値になります。
同様に1周期の自然妊娠率を計算すると、
- 20代は15%
- 40歳になると3~4%
まで低下するという計算になります。
そして、この計算には、妊娠を阻害するような病気や体質などは加味されていませんので、場合によっては更に低い妊娠率になるのです。
人工授精と体外受精からわかるより詳しい妊娠率
ここまでご紹介してきた妊娠率は、あくまで累積された妊娠率から推測している割合です。なかには妊娠を希望していないのにたまたま避妊しなかったので妊娠してしまった、という女性も含まれます。
「妊娠希望・妊活中の女性の数」に対して「妊娠した女性」で明確に計算された妊娠率を知りたいと思いませんか?
これを示すデータとして、不妊治療を行っている「メディカルパーク湘南」の体外受精の妊娠率データをご紹介します。体外受精を行っている女性はすべて妊娠を希望しているため、明確な妊娠率と言えるでしょう。
年齢 | 妊娠率 | 年齢 | 妊娠率 |
31 | 33% | 38 | 31% |
32 | 35% | 39 | 21% |
33 | 34% | 40 | 24% |
34 | 35% | 41 | 21% |
35 | 25% | 42 | 13% |
36 | 26% | 43 | 8% |
37 | 27% | 44 | 5% |
(参考)メディカルパーク湘南
あくまで1病院で行われた統計であるため、サンプル数が少ないことによる数値の高低があると思われます。
ただおおよその目安として30代前半では30%以上だった確率が35歳を境に徐々に低下し、40代ではまたさらに低下していることが分かります。また、29歳以下についてはさらにサンプル数が少ないことが見込めます。
体外受精とは精子と卵子を体の外で受精させる高度生殖不妊治療です。精子と卵子を取り出した上で受精に成功し、それを移植した後の着床に成功した確率というふうにも言い換えることができるため、通常の自然妊娠よりも高い数値となっていることが想定されます。
年齢別の妊娠確率は統計として参考にする
無視せず期待しすぎず事実として理解しましょう
年齢別の妊娠確率について、自然妊娠や体外受精結果をご紹介しましたがいかがでしたか?低い結果にショックだった方、意外と高い割合に感じてほっとした方などさまざまいらっしゃるはずです。
ただしこれらはあくまで人数を合計した統計です。自分とまったく同じ年齢、体質、体調の人は1人もいないため、自分にあてはめられるとは限らないことを理解しておきましょう。でも統計を無視して「自分はきっと大丈夫」と過信しすぎたり、期待しすぎることも禁物です。事実として理解し、妊娠するための毎日の努力を積み重ねていきましょう。